まず最初に、この本を手に取ったあなたに質問をします。
『凡人の人生が劇的に変わる出会いの技術』
本書のこのタイトルを目にして、どんなことを考えますか？

「『出会い』なんかで人生が本当に変わるの？」と半信半疑に思う方もいるかもしれませんね。
しかし、「『出会いの技術』があれば人生にビッグチェンジを起こせる」というのは本当のことです。

私は現在、心理学をベースにした企業のコンサルティングや個人向けのコーチング、起業を目指している方向けのスクール講師などの仕事をしています。
日々の活動を通じてのべ４万人の方々と接していると、うまくいく人とうまくいかない人、売れる人と売れない人、結果が出る人となかなか結果が出ない人、それぞれの違いには共通点があることを感じています。
その成否を分けるものは、「能力」や「才能」などではありません。
芸能界で売れているタレントやモデル、俳優などを見ていても、「能力」や「才能」が高い順に売れているのかというと、そうとも限らないような気がしませんか？ビジネスの世界でも同じで、「能力」や「才能」がある人だけが成功していて、そうではない人は成功できないのかというと、決してそんなことはありません。
ということは、結果を分ける理由は他にあるということです。

以前、私は歌舞伎町でホストの仕事を約７年間、やっていました。
はじめの半年間は指名ゼロ、売り上げゼロのダメホストで、その売れない理由は私のスペックの低さだと思っていました。チビでブスで人見知りで、お酒も弱くてダンスもできない私は、売れなくて当然だと半ば諦めていたのです。
しかし、心理学と出会い、勉強しながら学んだことを実践することで、その後に売り上げナンバーワンを達成することができました。
別に整形したわけでも、急に何かの才能が目覚めたわけでもありません。ナンバーワンになってからも私のスペックは相変わらず低いままです。変わったことといえば、心理学を学んだことで頑張り方の方向性が変化したことくらいです。

それまでの私はひたすら自分磨きに一生懸命でした。自分の知識や技術のレベルが上がれば、お客様がきっと指名してくれると信じていましたから。しかし、頑張っても頑張ってもうまくいかず、むしろ空回って疲弊していきました。
そもそもスペックの低い凡人の私では自力で頑張ってもスペックの高い人には勝てないし、その差はなかなか埋まるものではありませんでした。

そんなとき、心理学を通じて、「信じたことが現実化する」ということを知りました。
その理屈を少し解説すると、現実を変えたければ「自分らしい」と感じるゾーン（コンフォートゾーン）のステージを上げることが重要だということです。そこにいる自分と慣れ親しみ、心地よさを感じることでセルフイメージを向上すれば、自己肯定感が得られる。すると、自分が感じている「当たり前」の基準が明快になり、信じていることが変わることによって、現実そのものが変わっていくということです。
そして、そのコンフォートゾーンを移行させるために最も手っ取り早い方法は、つきあう相手を変えて、その人のステージに引き上げてもらうことなのです。

・人は環境によって作られる。環境が変われば人生が変わる
・環境が変わると思考、言葉、行動が変わる。行動が変われば現実が変わる

つまりコンフォートゾーンが変われば、現実は変わるということ。

コンフォートゾーンが変わることで、最初は違和感を感じるかもしれませんが、辛抱してそこに居続けると、思考、言葉、行動の習慣が変わってきて、気づいたときには、昔の自分が快適だと感じていた場所が逆に居心地悪くなっています。
言ってみれば、引っ越してすぐの新居に慣れずにホームシックになっても、しばらくすれば新しい環境が心地よく感じるようになるのと同じことです。

では、どうやって新しい人たちと出会い、コンフォートゾーンを引き上げてもらうのか？

その思考とスキルをまとめたのが本書です。

凡人がワンランク上の人と出会い、人生を劇的に変えるためのプロセスを、「準備編」と「実践編」に分けて余すところなくお伝えします。

あとは、あなたがそれを信じて実践するのみ。
自分なんて大した人間ではないと諦める前に、もうちょっとだけ自分を信じて、理想の自分になると覚悟を決めて行動してみてください。
そうすれば、あなたの人生は確実にうまくいきます。

斉藤 恵一